多くの方が本業の収入一本で生活していると思います。
最近は副業解禁になっているところが多いですが、
実際は収入源を本業のみの方が多いはずです。
では、資産形成はどうしています?
給料天引きで自社持ち株と社内積立てをやっています。
過去の私はこうでした。
貯蓄先
・会社の持ち株購入(10%割増しが可能)
・社内積立て制度活用(多少の金利優遇有り)
・その他銀行預金
そして収入源も本業頼み。
このままでは何がいけないのでしょうか?
お分かりですね。
収入から資産まで本業に依存しすぎです
これでは一生会社から離れられません。正しいお金の増やし方ではありません。
ぜひ、この機会に見直すことをおススメします。
これを読めば会社を定年間近になった時に慌てることなく、自分の好きなタイミング
会社を辞める事ができるはずです。
何故、収入・資産を会社に依存することがいけないのか?
私の事例で紹介しましょう。
新入社員の時、
言われるがままに
1.会社の持ち株制度
2.会社の積立制度
に入りました。
20年以上前の話です。
現在の結果論からでいうと
正解でした。
若い頃は散々飲み会等の無駄な生活ばかりしていたので、
唯一の給料天引きで自動貯蓄できるこのシステムにより、私は強制的に貯金をすることができました。
特に会社の持ち株制度はかなりお得でした。
購入金額に常に10%会社の補助がでて上乗せ購入ができ、ボーナス時も購入が可能でした。
私が入社した1990年代から2010年くらいの20年間は
バブル崩壊により長期間株価が低迷していました。
つまり今と比べて大分お得に株を買う事ができました。
その結果、リーマンショック等ありましたが、
日経平均株価はかなりところまで回復したことで、私は大きく資産を増やす事ができました。
でも、今思うとかなりリスクが高い資産ポートフォリオでした。
10年くらい前まで、私のポートフォリオは
資産の95%以上持ち株と社内積立て制度に依存していました。
それでも持ち株制度を見直した方がいい理由
だったら持ち株会社、最高じゃないですか?
でも、ちょっと待ってください。
理由は2つあります。
1.会社業績と共倒れになるリスクが大
万が一、会社の業績が傾いたらどうするのでしょうか?
一部上場企業とは言え、このご時世業績は悪化により、給料、ボーナス減額など日常茶飯事です。
業績が悪いので当然株価も急落します。
まさに収入だけでなく、資産も打撃を受ける事になるのです。
コロナで突然、運輸業界、観光産業が大打撃を受けたことを考えると
自分の資産を全て会社に依存するのは危険なことは想像できるはずです。
今は自分の業績が大丈夫だと考えていても、会社の業績はさまざまなところから影響を受けます。
例えば、自動車業界の半導体火事からの販売台数低迷、
コンテナ不足からの海上運賃大幅値上げ等、想定できないところから一気に業績が傾きます。
その時に精神状況を安定させる方法は一つです。
資産を本業に依存しすぎないことです。
2.会社を辞めたい時に辞められない
もうひとつ見直した方が良いと理由は
私が10年以上前にマンションを購入した経験からでした。
その時、持ち家を持った嬉しさと同時に
一生会社やめられないな
と、すごいプレッシャーを感じたのを覚えています。
さらに、マンションの頭金の時に持ち株の一部売却を考えていました。
しかし、あまりにも持ち株制度を理解していませんでした。
その為、
売却に時間がかかり、
売却タイミングを遅れ、当初売ろうとしたときによりも
100万円以上損して売る事になりました。
この時、会社の仕組みを知らなかったことを悔やみました。
でもよく考えてみるとその時ある意味痛い目にあって良かったと思いました。
それは
私は持ち株制度を老後の為と活用していましたが、退職時に持ち株を売るときに、株価が大きく値下がりしたことのリスク回避の必要性を知る事が出来たからです。
過去10年間以上ずっと日本の株価は低迷していました。
老後でそのタイミングがきたら泣く泣く、値下がりした株を売って生活するしかなくなってしまいます。
会社の積立財形制度は?
私の入社当時は銀行の金利も多少なりともありました。
会社の積立財形制度もかなりお得でした。
住宅購入を目的とした財形制度では記憶が確かではないですが、
700万円貯蓄すれば、100万円利子で上乗せできる程魅力的なものでした。
でも今現在超低金利が続く中で大きく社内積立て制度も変わっております。
こういった制度は廃止になり、ただの社内積立て制度のみ残っています。
金利は一般の利率と
ほぼ50歩100歩です。
もし、入社当時から積立を続けている人で、運用を目的としているなら
全額解約して自分で資産運用を始めましょう。
今の社内積立て制度は強制天引き以外のメリットは全くありません。
会社に依存しないお金を増やし方
自分の会社の持ち株比率を下げよう
では、私は持ち株制度反対派かというとそうではないです。
自己判断ではありますが、将来に渡り、業績が安定していると判断すれば
継続すれば良いと思います。
でも、自分の資産のポートフォリオを見直すことは絶対に必要です。
会社の業績は長い目で見れば好調の時もあれば、不調のときもあります。
そのタイミングで上手に売却して、その資金で資産運用すれば良いのです。
会社の補助で10%多く株を購入できるメリットは大きいです。
※会社によって補助の金額はまちまちだと思いますので、会社の経理部等へ確認願います。
ここで持ち株制度を活用している方に大事な質問です。
では持ち株制度で購入した株をどうやって売れば良いのでしょうか?
下記にあてはまる人は要注意です。
1.自分の持ち株数、平均購入株を知らない
2.持ち株制度で購入した株を直ぐに売れると思っている
1については知らない人は危険です。
多くのは方は退職後、株を売って老後の生活にと思っているはずです。
でも退職タイミングが必ずしも売るベストタイミングではないです。
また、いくら儲かっているかも知らないのでは人生設計の立てようがありません。
まずは自分の購入株数、購入平均売価、現在株価と比較して損益を把握する事を定期的に実施して下さい。
2については折角の売却タイミングが分かっても
え~っとどうやって株を売ればよいのかな?
と売りたいときに調べていては全く遅いです。
相当時間がかかります。
私の持ち株制度からの例でいうと次のステップが必要です。
1.会社の指定の証券会社に個人口座を開設する
2.持ち株の管理部署に自分の一部株式を個人口座へ移動依頼を申請する
3.(移動したのを待って)個人口座から株を売却する
まず時間がかかるのが1です。
積立てNISA等を始めている方は証券口座をお持ちですが、
ほとんどが楽天証券やSBI証券のようなネット証券ではないでしょうか。
ここのポイントは会社の指定する証券会社です。
ほぼ昔からある大手証券会社です。みなさんは普段活用していない証券会社だと思います。
余裕を見て2週間くらい見ておいた方がよいです。
マンション購入の話をしましたが、私自身は直ぐに株を売れると思っていました。
その間どんどん株価は下がり、本当に冷や汗をかきました。
2の移動申請もタイムリーに移動できるわけではないです。
会社によって違うと思いますが、毎月の指定日までに1000株を個人口座へ移動したいとか申請が必要になります。
つまり、口座を移すまでに1と2だけで1か月くらい。タイミングが悪いと2か月くらいかかります。
よって、私がおすすめしたいのは
自社株制度を継続活用する人は一部の株、
もう自社株制度を理由しない方は全数株
の個人口座開設・個人口座へ移動申請を直ぐにやって個人口座でいつでも売却できる状況にしておくことです。
一旦全額売却すると再度自社株に入る事が出来なくなることがありますので会社の規定をよくみて判断して下さい。
ここまでやれば後は株価を自分の好きなタイミングで売却して
個別に資産運用を始めましょう。
ご自分の持ち株制度の株の売却方法を知ることは本当に大事です。直ぐに調べて下さい。
投資信託を始めよう
では売ったお金をどうすればよいのでしょうか?
1千万円まで保証されるから銀行預金が一番でしょう
残念ながら違います。
つい最近こんなニュースが発表されました。
積立てNISA投信対象が全て含み益
18年1月から始まった積立てNISAですが、21年7月末時点で毎年40万円上限一杯に積立てた場合、
全て投資信託のファンドがプラスになったというニュースです。
トップは楽天・全米株式インデックスファンドで含み益70.6万円です。
3年6か月でこの実績すごいですね。
私も19年1月から積立NISAを同様に満額まで始めていますが、
約34万円含み益があります(21年10月10日現在)
※詳細は日本経済新聞社電子版を参照ください。
では持ち株で売却したお金をそのまま貯金しておくとどうでしょうか?
私の銀行口座には百万円くらいありましたが、
利子20円でした。
どちらをやれば良いか一目瞭然ですよね。
当然、マイナスになるリスクもあります。
でも長期の積立投資を続けていればマイナスリスクを大幅に軽減できます。
投資信託については、積立てNISAにあるファンドからインデックスファンドを選べば
間違いないと思います。積立NISAのファンドは国の厳しい審査を潜り抜けたファンドを
選んでいますので、極端にリスクが高いものや手数料が高いものは最初から外されています。
でも注意頂きたいことは100%資産が保証されているものではないです。
投資は全て自己責任で判断お願いします。
おすすめの投資信託については下記記事を参照ください。
会社に依存する比率はどこまで下げればいいの?
でも、あせって株を売る必要はないと思います。
やはりタイミングがありますので、売り時だと思ったタイミングで
全額ではなく、少しづつ売却することをおすすめします。
私も現在資産ポートフォリオをゆっくり見直し中です。
10年前は95%くらいあった会社と連動した資産が今では50%くらい下がりました。
最終的には自分の会社の将来性を見極めていきますが、
20%~30%くらいまで下げようと思います。
この比率はどこが適切か回答はありません。
自分の会社の将来性、自分の価値観によっても違うはずですので、
自分で考えて決めて頂ければと思います。
まとめ
今回はサラリーマンの方に会社の依存しない資産運用を紹介しました。
私も最初は完全に会社の貯蓄制度ばかりを活用していましたので、
このリスクの大きさに気づいて良かったと思います。
もし、退職時や給料が下がって家計が苦しい時に持ち株を売ろうとした時に
株価も大きく下がっていたらダブルでショックで精神的にダメージは想像がつきます。
売りたいときは自分がお金が必要な時のタイミングであって、
それが必ずしもその株を売る良いタイミングではないです。
また、会社がいつ経営が傾き給料が減額され、ボーナスゼロという日がくるのは、絶対うちの会社はあり得ないと思う方は今は少ないはずです。
何故なら、コロナを経験された方であれば観光業界、運輸業界は業績を大きく悪化したのを見ていますので他人事ではないはずです。当事者だったのであればなおさらです。
いまこそ本業に依存しない資産形成が必要です。
その為に下記を実施して下さい。
・持ち株の見直し
・社内貯蓄制度の解約
その原資で投資信託に変更して、会社に依存しない資産ポートフォリオに変更していくのです。
そうすればあなたも会社に依存しない資産を持つことで
こころのゆとりが生まれます。
その準備ができれば安心です。
もし会社の経営が傾き、お金が必要になった時は、自分で運用した資産を取り崩せばよいのです。
リスク分散していればそのときの売却する資産の選択肢が増えているはずです。
今回の記事を読んで、ぜひみなさんの資産を確認頂き、資産を見直す機会となれば幸いです。
最後まで読んでくださり、有難うございました。