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従業員持ち株制度って活用した方が良いですか?体験からお話しします。

従業員持ち株制度を活用していますか?

みなさんの会社には従業員持ち株制度はありますか?この制度は上場企業の約9割がこの持株会があるようです。一言でいうと自社の株式を持株会を通じて毎月決まった金額だけ積立できる制度です。最大のメリットは会社から5%から10%程度の奨励金をだしているところが多く、自分の積立金額にプラスアルファできる事です。つまり1万円分の自社株を購入する時に10%の奨励金があれば1万1千円分購入できます。上手に活用できれば非常にお得感があります。

私の会社にも持株会があり、私も加入して毎月積み立てを実施しております。私の場合も単純に10%の奨励金に飛びつきました(笑)。でも私自身、途中で冷静に考えて非常に危険だなと感じ始めました。これから入るか迷っている人、既に入ってコツコツ積み立てている人は是非参考にしていただければと思います。

結論から言いますとデメリットを理解して、会社の将来性を見極める一方でリスクヘッジをしていけば私は加入しても良いと考えております。

持株会に入って、失敗した事

私の場合、10%の奨励金に飛びつき、こつこつ毎月積み立ててきました。残念ながら株価は入社以来低迷してほぼ下降しておりました。しかしながら、資産形成をこれ1本に頼ってきたこともあり、マンション購入と言う大イベントに直面して頭金に活用する為一部取り崩す必要性がでてきました。幸運にもその時株価がある年の年末に向かって上がり続け、資産が2倍になるタイミングが奇跡的におこりました。その為、持株を売ろうとしましたが、私はあまりにもこの制度について知らな過ぎた事に気づきました。

  • 株を売るには持株会から指定証券会社に移さなければ、株を売る事ができません
  • 指定した株数を証券会社に移すまでに3週間以上かかります。
  • 指定した証券会社の口座を持っていなければ自分で証券会社で口座を開く必要があります。

私は持ち株制度の仕組みを理解しおらずに加入していたため、株を売る局面になって初めて、売り方を知ったのです。こんな事をやっているうちに年明けました。そして、年を明けてから恐ろしい事が起こりました。株価が急激に下がったのです。その間持株が証券口座へ移管されるまで何もできず、相当あせりました。更に初めての株売買で相当な株数を、かつ下がっている株価を少しでも高いところで売りたいう欲から、更にタイミングを逃し、当初想定した金額から100万円以上下回った価格で売る羽目になりました。

その時は今後はもう売る仕組みもわかったし、次は大丈夫だと反省はしたものの、この持株を懲りることなく継続していました。それで更に10年が過ぎました。その時、私はお金の勉強を色々学ぶ機会があり、ふと我に返ったのです。

自分の給料に加えて、資産も会社に依存してしまったら非常に危険だなと思いました。

通常資産運用はリスクを分散させながらやるのが基本です。しかし、意外にも持株制度を活用している人の感覚は通常の定期積立に10%の奨励金がつく、銀行に預けるよりもお得としか思っていない人の方が多いのではないでしょうか?実際は株をもっていることになり、株価は当然浮き沈みあり、かつその浮き沈みが会社の業績、つまりは自分の給料と連動します。給料が減り、お金が必要になったときに株価が低迷していることが多いのです。その事実を理解しておくことが一番大事です。

東京電力や東芝の例は極端な例かもしれませんが、一瞬で紙屑になる可能性が実際自分の会社でも起こる事があるということです。

では、持ち株制度はやらない方がよいのか?

最初の結論でも述べましたが、リスクをしっかり理解すれば上手に活用すれば良いと考えます。

では、私の考えるおすすめの活用法を教えます。

1.みなさんの勤めている会社が経営的に安定している、もしくは将来性があると考えているのである。更に、10%程度の奨励金がある、かつ配当金がある(理想は2%以上)のであれば検討してみる。

2.全額持株会から退会してしまうと再度入会する事ができないので、ある程度まとまったら定期的に証券口座へ移してください。私は70%以上移すことをおすすめします。

3.更に証券口座に移すと配当金がもらえます(持株会のままだと配当金は再投資に回されます)ので、その分は他のインデックス投資信託を購入する。但し、会社指定の証券会社は大手証券会社ですので、手数料の安いネット証券会社での運用をおすすめします。

4.更に会社指定の証券会社に移した自社株は自分で株価が高いと思ったタイミングで定期的に売って下さい。それをそのままインデックス投資を購入。売るのはどの時点がベストなタイミングかなんかわかりませんので、少しづつ売っていく事が初心者には良いと思います(私も100株づつ売っています。結局、後から売った方がもうかったと思う事は結構ありますが、気にしないようにしています)

5.これを定期的にやることで、自分の資産をリスク分散して下さい。日本株(自社株含む)と外国株の割合が4:6もしくは3:7くらいになれば理想です。ただし、自社株だけで日本株を構成しないで下さい。売った持株で日本のインデックス株も購入して日本株の中でもリスク分散して下さい。外国株が比率が高いのは歴史的にインデックス指数の上昇率が日本インデックスと比較して高いからです。

上記1から5をやることで、決して持ち株制度は会社に依存しすぎるというリスクを大幅に軽減できると考えます。仕事を頑張って業績が上がれば株価も上がりますし、モチベーションはものすごい上がります。おまけで10%の奨励金もついてきますので更にお得です。

まとめ

今回は従業員持ち株制度についてお話しました。

お伝えしたいことは3点です。

  • 持ち株制度のデメリットを理解する(会社指定の証券会社に口座を開くなど、売却までに時間がかかる。また給料と資産で会社への依存度が高くなる)
  • そのため、持ち株を定期的に証券会社に移し、配当金をもらえる状態にしておく。その配当金はインデックス投資に回す。
  • 自分の高いと思う株価で定期的に100株程度づつ売却していき、自分の総資産を日本株と外国株の比率を3:7から4:6程度の割合になるようにリスクヘッジしていきながら持ち株とインデックス投資で資産運用を続ける。

以上です。少しでもみなさんのお役に立てたら幸いです。