現在、テレワークでの仕事が多くなっている中で上司の方は
部下とのコミュニケーションが難しい。
どうやって部下を育成すればよいかわからない。
という方に、ちょっとしたコツを教えします。
ぜひ、ワンオンワンミーティング(1on1ミーティング)をテレワークで導入して、部下とのコミュニケーションを積極的に実施して下さい。
私も会社生活20年以上ですが、ワンオンワンミーティングを導入した背景は
・大変なプロジェクトを多く抱えているが、テレワークだと孤独になりやすい(特に独身の部下)
・相談したいけど、いつ相談したらよいかわからない(部下全員)
・独りで将来の不安を感じる、将来について考える時間が増えた(若手の部下)
・会社で仕事をするのに慣れているので、仕事へのモチベーションが下がった(ベテラン部下)
と色々な不安を抱えるている方が多いなと感じた為です。
従来だったら辞めなかっただろう有望な若手社員が突然転職したり、
それまで契約延長で65歳まで働くと言っていたベテラン社員が途中で退職を決意したりと
周辺で想定していなかった事態が発生しています。
いまこそ、一人一人の社員に寄り添って、コミニケション強化が必要なのです。
1.何故ワンオンワンミーティングが必要なのか
1-1.必要性
テレワークでは個室に閉じこもり、1人で仕事を孤独に8時間もやり続けます。
家族がいない場合だと休憩すら、誰とも話をせず、1日誰とも会わない、会議が無かったりすると
必要以上の仕事への不安、将来の不安、孤独感からマイナス面な事を考え始めます。
しかし、テレワークになると上司はその部下の変化に中々気づきません。
たまに出社して話したりしただけでは
現状に満足しているように見えます。
上司はその変化に気づけず、大幅な仕事への遅れや転職という形になって初めて知ったりします。
そうならない為に
表面には見えていないけど、部下の気持ちを感じる事が大事なのです。
『不安』『相談しにくい』『閉塞感』『モチベーション低下』『孤独』
のような気持ちをワンオンワンミーティングで対応していくのです。
1-2.上司の悩み
でも、そんなこと言っても、どうやって対応すればわかりません。
『大丈夫か?』とオンラインで問いかけても
『大丈夫です』
としか、返事は返ってきません。
『実はあのプロジェクトの件で困っているんです。』
『実は将来どうすれば良いかわからないです』
みたいな話がなければ、上司としては相談に乗りようがありません。
部下から悩みを引き出すにはある程度スキルが必要なのです。
でも、安心して下さい。コツさえ掴めば誰でもできるようになります。
口下手でも心配しなくて大丈夫です。
2.ワンオンワンミーティングの方法・コツ
次から具体的な実践内容です。
2-1.ワンオンワンミーティング(One on One Meeting)の目的
ワンオンワンミーティングとは
部下の『心』と『目標達成』、『成長』に寄り添う対話です。
定義
上司と部下が1対1で頻度良く行う対話で、部下の表面下に潜む、悩みを聞き出し、正しい方向へ導き、成長を支援していくことです。
頻度は2週間に1度が良いです。定期的に継続することが大事です。
2-2.抑えるべきポイント
このミーティングで大事なポイントは3つ
1.上司自ら心を開く
まず、部下が安心して会話するために自らまず心を開くことが大事です。
2.ミーティングの主体は部下。上司2割、部下8割の会話量を目指す
3.部下を観察する
部下をよく観察して、傾聴して、その話に共感し、承認していくことで相手を理解して尊重していることを伝える。
観察力・共感力・傾聴力・承認力が基本スキルになります。
ワンオンワンミーティングを始めるにあたり、部下が安心して話ができる環境づくりが必要です。
その為に、1番で上司自らこころを開くことが大事です。
意外にここが難しいです。最初は部下も警戒します。定期的に行う事で相手からの信頼を得ていきましょう。
次に大事な事は通常の面談と違い、このワンオンワンミーティングは
主役は部下(相手)であり、上司(私)は聞き役になります。
どうしても口を出したくなり、あれこれ言いたくなりますが、ぐっと我慢してイメージ上司2割、部下8割の
会話量を心がけましょう。感覚的にはほとんどしゃべらず、質問に徹するレベルです。
相手から話を積極的にしてもらい、相手の話をよく傾聴して、共感をして、承認してどんどん話を引き出していくことを心がけます。主体は相手です。
2-3. 話すテーマ
ワンオンワンミーティングって何話せばいいの?
いざ、ワンオンワンミーティングをやろうとすると一番困るのは、何をテーマに話せばよいかわからないことです。
そういう時は下記のテーマから相手に決めてもらいましょう。
下記項目を予めExcelに落としておいて部下に見せながらでも良いと思います。
信頼関係を築く(初期段階)
・自分の業務の成功体験、失敗体験の振り返りと内省(反省)
・自分に対する期待
・仕事の悩み
・プライベートの悩み
・心身の健康状態の確認
ある程度信頼関係が築けたら
・超長期的なキャリア形成
・業務達成に向けて、上司に支援してほしいこと
・経営の報告性、戦略に対する疑問や意見
・会社方針とそにもたれた自分のミッション
・同僚や関係部署、顧客との人間関係の悩み
・周囲メンバーの様子、気になる事
ポイントは部下が話したい内容を決めます。
くれぐれも『おい、そういえばあの件どうなった?』なんて聞いては駄目ですよ。
こうやってテーマを選んでもらうと流石に話題に困ることがないです。
3.ワンオンワンミーティングを実施してみてわかった事
最初はやると宣言しても、部下は身構えてしまいますので、
・上司がミーティングを設定しましょう。
こちらから設定しないと延々に設定されません(笑)
なんとなく、悩み相談室みたいなイメージで部下にもたれて、
『特に悩み事ないし、上司に相談することないし‥』という雰囲気を醸し出され、必要性を理解してもらうまで後回しにされてしまいます。
・2週間に1度、定期的に実施する
ルール上、1回目上司、2回目以降は部下からと言っても、日常業務に追われ、最初の内は優先順位を下げられてしまいます。
・最初は全く上手くいった手ごたえを感じなくても諦めず継続する
私も口下手なこともあり、最初の内はうまくいった感じがしません。それは相手にも伝わっているかもしれません。でもそれでも良いのです。継続すればだんだん、会話も弾んでいきます。
テレワーク中心になったことで、1対1で会話する効果は大きいです。職場環境は格段に改善していきます。
今の会社では毎年自分の職場を評価するアンケートを実施しています。
このミーティングにより期待していた項目が点数が上がりました。
・職場内の風通しが良く、自由に上司部下の意見交換が活発に行われて、働きやすい職場である。
・総合的に判断して、私の職場は良い職場だと思う。
様々な不平不満はあるけど、部下がそのように判断してくれたことが非常にうれしく、このミーティングが無駄ではなかったと思います。
みなさんもぜひワンオンワンミーティングを実施してみて下さい。
参考本
ご存知全日本水泳監督平井伯昌さんです。何故、個々の力を最大限本番で発揮できる選手を育成できるのかいつも勉強させてもらっています。平井監督は論理的にコーチングを学んでいると感じる一冊です。
こちらは楽天名誉監督だった野村克也さんの本です。
名著ですが、キンドルしかもうないようです。私は繰り返し読んで部下育成に役立ています。将来に対してどうすすれば良いか自分のキャリア含めて勉強になります。